電脳絵画と古本と西洋毛針的快楽と苦悶

3DCGから、古本、模型作り、バスのフライフィッシングまで、自由気ままに書いて行きたい。
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久しぶりに、新しいCGソフトを導入した。
Vue6だ。
一般的には、景観作成ソフトとも言われているが、自然の風景などを作りたい時には最適のソフトだ。
価格的にも高いものは10万円以上するものから、1万円台のものまで、幅が広い。
もちろん?、私が購入したのは、1万円のものだ。

しばらくの間、使ってみて、使えそうだと思ったらバージョンアップすることもできる。
さっそく作ってみたのが、上のシンプルな風景だ。

これだと、5分から10分くらいで出来る。
この作例では、画面中央の樹がメインモチーフになるが、これははじめから出来上がったものがあるので、好きな場所に置くだけでいい。

初心者でも使いやすいソフトだ。

ただ、やはりCGソフトなので、メモリーを食うのか、ネットのブラウザが重くなってしまった。

ハードに自信のない人は、少しメモリーを増設したほうがいいかもしれない。

どちらにしても、これから、どんな風景ができるか楽しみだ。
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雑記的快楽 PART2
まるで魔女狩りのような今回の騒ぎを見ていると、なにか虚しく、物悲しくなります。どのテレビ局もまったく同じニュースです。まるで、事前に検閲されてでもいるかのように。
しかし、その中でも特に、某テレビ局が一番嬉々としているように見えるのは、私の気のせいでしょうか。

おそらく、メディアも指摘しているように、今回の事件は当局による、見せしめでしょう。第二のカリスマが出てくる前に、一番目立つターゲットを潰してしまうということでしょう。この国が少しでも変わるかもしれないと思わせる、新しい動きが、また強大な力によって圧殺されてしまったような気がします。残ったのは、相もかわらぬ古くさい権力者ばかりです。

おそらく、この事件の背後にはまたいつものように、古い支配者たちの、ドロドロとした陰謀が渦巻いていたのでしょう。自分に都合の悪い、新しい勢力を排除するために裏から手を回す、いつものやり方です。過去の歴史がそれを物語っています。歴史は雄弁です。問題はそれを読み解く能力があるかどうかでしょう。

いずれにしても、日本中が某IT企業バッシング一色に染まっている今こそ、なによりも冷静に何が本当の情報かを、極める努力をしなければと思います。
| ディラン2010 | 雑記的快楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
毒書的快楽 PART4 日本人が知らない「日本の姿」
日本人が知らない「日本の姿」―シンガポール財閥総帥夫人からの警鐘
日本人が知らない「日本の姿」―シンガポール財閥総帥夫人からの警鐘
胡 暁子
この本はごく普通で、啓蒙的な、お行儀のいい日本たたきの本と言えるかもしれません。
読みはじめは、ちょっとスパイスが足りないかなという感じもしましたが、
けっこう、きついことも書かれてあります。部分的にはないものねだりのような部分もありますが、全体のバランスも比較的よく、身につまされるところもあって、著者の真剣な気持ちが伝わってきます。

ただ、あまり細かい注文が続くと、多少うんざりするところもないとは言えません。
ちょっとおせっかいなおばさんという感じもありますが、逆に言えば、それだけ熱心に日本のことを考えてくれているのでしょう。
例えば、日本人の脚の組み方や、くわえたばこのマナーについても、もちろん書かれているので、マナーの悪い人はこの本をよく読んで、今後は気をつけてください。

著者の、胡 暁子氏は、日本生まれのシンガポール財閥総帥夫人だそうですが、少しおおげさな肩書きだと思う人もおそらくいるでしょう。私もそう思いました・・・。

それはさておき、この本にはシンガポールのことも書かれていて、その点も勉強になります。特にシンガポールは、元英国領だったこともあって、英語だけでなく、2〜3か国語が話せる人が多いということも、改めて知って、勉強になりました。そのために、英語が話せない日本人を見ると、なぜ話せないのか不思議に思うそうです。

その他、広範な現象に関して日本に対する、問題提起をしています。青少年の問題、平和、言葉使いのマナー、本当の愛国心の必要性、など、多少保守的な傾向はありますが、グローバルな問題に関しても、適切な指摘が豊富にあり、刺激的な本だと思います。

特に私の印象に残ったのは、「日本を陥れるには軍隊は必要ではなく、石油を絶ち、謀略をしかければよいのです」という部分です。これは、日本の外交の問題に関する指摘ですが、現在の某政権の外交政策を考えるうえで、貴重な言葉だと思います。ただ、考えてみれば、これは戦前の真珠湾攻撃以前の状況とあまり変わらないとも言えますが、それだけ、この国は政治的にはあまり進歩していないということでしょうか。
| ディラン2010 | 毒書的快楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
KIOKU 1995年1月17日 PART1
避難していた駐車場から六甲山の方を見ると、いつのまにか黒い煙が5本か6本、神戸の空を切り裂くように立ち上がっていた。
「ああ、火事や・・・」と誰かが言った。
「消防自動車のサイレンの音がしない」と私が言う。
「消防署もつぶれたのかな・・・」

街は異常に静かだった。車の走行音も、バイクのエンジン音も、犬の鳴き声も、パトカーのサイレンも聞こえない。街のすべての機能が停止したかのようだった。一瞬にして、何万年も前の原始時代にタイムスリップしたかのような、深くて冷たい静寂が、街を包んでいた。
ただ、私の見える範囲には、大きな被害はないようだった。マンションの隣の古い民家の壁が少し落ちているのが見えるだけだった。

空が次第に明るんで来たが、被害の様子もわからないので、まだ状況の判断ができない。一度、マンションの部屋に帰ってみたが、やはり電気は切れていて、電話も通じないし、水道もガスも止まっていた。

とりあえず、煙の上がっているほうへ行ってみることにした。国道2号線のほうへ出て見ると、菅原市場のあたりが、燃えていた。大きな炎が上がって、煙が生き物のように激しく空に向かって駆け上がっていく。途中で、つぶれている建物があった。近所の電気屋だった。屋根が崩れて、歩道の上に倒れ落ちていた。何人かの人と道路で出会ったが、やはりまだ、事態が飲み込めていないようだった。なんとなく、ぼんやりとした足取りで歩いている。じっとしていられなくて、とにかく歩いているような感じだった。私もやはり、同じだったのだろう。

近くまでいくと、やはり消防車は来ていなかった。もちろん消防士も見えない。猛烈な火だけが、ただ激しく、街を舐め尽くしていた。
交差点のところに、ガソリンスタンドがあったが、そこにも火が迫っていた。
「危ないから帰ろう」
私は妻に言って、もとの道を引き返した。

空を見ると、太陽が街を見下ろしていた。輝きがなく、紙のように薄っぺらい、くすんだようなオレンジ色の太陽だった。
| ディラン2010 | KIOKU 1995.1.17 | comments(0) | trackbacks(0) |
毒書的快楽 PART3
「南回帰線」 ヘンリー・ミラー 

この本を初めて読んだのは、私がまだ20代のころでした。
そろそろ、当時読んでいたカミュやサルトル、ボーヴォワールにもあきて、何か面白い本はないかと思って、偶然手にとったのがこの本でした。

もちろん、ミラーといえば、そのときは、エロティックな作家というイメージしかありませんでした。しかし、期待はすぐに裏切られました。最初の書き出しから、ミラーは経験豊かなボクサーのように、重いジャブを繰り出して来ます。あわてて、ページを繰ってみても、期待したような、濃厚なセックスシーンが見当たりません。完全に裏切られた感じでした。

しかし、しばらく読んでいるうちに、いつの間にかミラーの世界に引き込まれていました。まったく、今までに読んだことのない小説であることはすぐにわかりました。いや、小説と言っていいかどうかもわかりません。非常に長いシュールリアリズム的な現代詩とも言えるかもしれません。難解なひとりごとの自動記述ともいえるかもしれません。宇宙哲学的な妄想の世界の果てしのないリフレインともいえるかもしれません。

もちろん、その中に主人公の経験した、ニューヨークの下町の、リアルな現実が描かれているのですが、少年時代の出事の神話的な描写には、ミラーの繊細なやさしさが溢れているようで、感動的でした。

特に、その頃の私にとって、印象的だったのは、ミラーが自分の果てしない優しさと、冷酷さの両面性を、そのまま肯定しているように思えるところでした。地球を破壊して、全人類を絶滅させてやりたいと思う自分を描きながら、その次の瞬間には神のように世界のすべてのものを愛する自分の存在を認めるという、究極的な両面性を表現しているところです。この部分は文体的にも美しく、何度読み返しても心を打たれます。

そして、全体を通して流れているのは、やはり一種の原始的なオプティミズと言えるでしょうか。ミラーの生き方を見ていると、なんとなく安心できるというか、自分を肯定できるような気持ちになれるのではないでしょうか。

いずれにしてもこの本は、私にとって初めての、強烈な毒書体験でした。本当に一日で、世界観が変わってしまうと言ってもいいかもしれません。特に私の場合は、サルトルの「嘔吐」の次に読んだこともあり、強烈なインパクトを受けました。
その意味では、この本は、一種の宗教に近いといえるかもしれません。ミラー流に言えば、無の宗教です。
| ディラン2010 | 毒書的快楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
雑記的快楽 PART1
夕方のテレビを見ていて、ふと、頭に浮かんだのは、滅亡というイメージでした。
ちょうど、東京モーターショーの番組をやっていたのですが、展示車両の最先端のテクノロジーを搭載した、まばゆいばかりの映像を見ていて、ふと、何か、空しさというか、かすかな違和感を感じました。

ここまで文明が進化したのはわかるけれど、もうこの辺でいいのではないか、これ以上テクノロジーを追求して、いったい何になるのか、という感じです。人間の際限のない欲望の象徴としての車の映像に、何か疲れのようなものを覚えたということでしょうか。

戦後の日本が必死になって追い求めてきた、アメリカ的な文明の中の豊かさがまさに、爛熟の域に達したと思われる今、一種の過剰な豊かさに対する嫌悪というか、倦怠感というか、そんなかすかな思いがふと、心をかすめました。

もうそろそろ、現代文明は頂点を極めつつあるのではないでしょうか。際限のない欲望にも、いつか終わりが来るのではないか。そして、あとは次第に滅亡への階段を降りてゆくしかないのではないか。そんなかすかな不安を感じました。 

その意味では、元日のテレビで流れたある占い師の予も、まったくの冗談ではないように思えます。おそらく外れるとは思いますが、ある意味では、当たっているかもしれません。

あるいは今、この瞬間にも、現代文明の深い深い地層の下から、滅亡は静かに始まっているのかもしれません。ただ、まだ誰も、そのことに気づいていません。
あなたはどうですか?
| ディラン2010 | 雑記的快楽 | comments(5) | trackbacks(1) |
毒書的快楽 PART1 日本 権力構造の謎
日本 権力構造の謎〈上〉
日本 権力構造の謎〈上〉
カレル・ヴァン ウォルフレン, Karel Van Wolferen, 篠原 勝
この本はまさに、わが毒書の対象として、これ以上ふさわしいものはないといってもいい本でしょう。
今ではかなり古い本の部類に入るかもしれませんが、今、初めて読んで、一言で言えば、私は「ああ、やっぱりか。」という感じでした。長い間、何かおかしいなと思いながら、なかなか口にできなかったことを、外国の人に、先に言われてしまったというか、親切に教えてもらったというか、そんな感じです。

特に選挙の問題については、2005年の選挙に関してもそうですが、マスコミが刺客、刺客と報道しはじめた時から、私はこれは危ないなと、思っていました。これだけ、政権党のニュースの露出が多ければ、普通に考えて、それがどういう影響を与えるかは、マスコミの関係者でなくても、わかるはずでしょう。
結果は私が懸念していたとおりでした。おそらく、マスメディアのエキスパートにとっては、思うつぼだったのでしょう。教科書通りの、見事な世論誘導です。
あるいはこれは、来るべき非常事態を想定して、国民をモルモットにした、国家的な危機管理の実験だったのではないかと思う程、あざやかなメディアによるコントロールでした。
しかも、右も左も、日本の全ての報道機関が責任を負うべき深刻な問題です。この状態を放置しておくと、選挙の結果をマスメディアが左右できるようになります。左右といっても、左はないも同然ですから、右右ですが。

一番怖いのは、このままでは、マスメディアを信用できなくなることです。信用に足るメディアがないということです。その意味では、2005年の選挙におけるマスメディアの報道姿勢は、まさにメディアの自殺行為といってもいいのではないでしょうか。
「右も左も、お前らみんなグルだったのか」という感じです。

選挙については、何十年も前から、巧妙な利益誘導がごく普通のこととして、明るく日常的に、国民的に行われてきたことが、この本には、冷静に、客観的に、分析されています。何回選挙をやっても、何十回選挙をしても、必ず政権党が勝つことになっています。そういうシステムをこの国の管理者が着実に誠実に、構築して来たのです。そして、まったくその通りになっています。結果を見れば、歴史を見れば、はっきりわかると思います。もちろん、建前は民主的な選挙です。普段は民主主義のコートを着て、投票の時は、脱ぐわけです。

おそらく、このままで行けば、100年、200年という政権党の、超長期一党支配も可能なのではないかという、恐ろしくゾンビ的な、ホラー的な悪夢を見るのはわたしだけでしょうか。もちろん、それまで、この国のフィジカルなパワーが持続できればという前提はありますが、いずれにしてもそうなると、時代錯誤かもしれませんが、江戸幕府を思い出させるような状況になります。もう民主主義というレベルを越えて、民主的封建主義というレベルまで来ているのかもしれません。

とにかくこの本を読んだ印象は、今まで日本について、漠然と考えていたことを、いきなり外国人に、徹底的に、反論の余地がないほど明確に、隅から隅まで論証されつくしてしまったという感じです。
おそらく、この国の管理者の側の人物がこの本を読めば、一瞬、あっけに取られて、言葉も出ないという感じだったのではないでしょうか。それほど、徹底的に日本というシステムを、右も左も、まさに全否定しているといえるでしょう。日本というシステム全体が、すみからすみまで、解剖され、きれいに整理され、分類されて、我々の前に並べられているといえるでしょう。

それにしても、これまでの長い歴史の中で、日本のどんなエリート、研究者、政治学者、哲学者、ジャーナリスト、文化人にもできなかったことを、この本の著者である一人の外国人がやってしまったという事実には、驚かされます。おそらく、この本にも書かれているように、こっそりと、誰にも言わずに、日本という巨大なシステムの根源的な問題を、非常に高いレベルで、誠実に研究している人間は、日本人のなかにもいると思います。
しかし、これほどはっきりと、大きな声で、日本人なら、誰でもうすうすと知っていることを、白日のもとにさらけだそうと試みた日本人は、これまでにもいなかったし、これからもおそらくいないでしょう。
やはり、同じ日本人としては、毎日の生活もありますし、日本というシステム全体を敵に回すというリスクは、想像できないほど、大きいということでしょう。逆に言えば、外国人だからできたとも言えるかもしれません。

とにかく、非常に刺激的で面白い本です。読み方によっては、普通のホラー小説より面白いとも言えるかもしれません。あまりに正確に理論的に分析されすぎたために、かえって、非現実的なフィクションのように感じてしまうようなところがあるのかもしれません。

特に私の印象に残ったのは、誰でも知っている、あの偉大な巨大メディア企業と、TV局との関係について書かれた部分です。この部分を正確に読むと、もう毎日見ているTVの報道を、まるごと信用することはできないでしょう。
毎日毎日あきることなく流される、政治色抜きの、ノーテンキなお笑い番組は、某超大国が仕掛けた、一億総痴呆化なのではないか?そんな悪魔的なファンタジーを夢見る、超!平和なお正月の一日でした。
| ディラン2010 | 毒書的快楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
毒書的快楽 PART1
日本/権力構造の謎 上/下
カレル・ヴァン・ウォルフレン著


この本はまさに、わが毒書の対象として、これ以上ふさわしいものはないといってもいい本でしょう。
今ではかなり古い本の部類に入るかもしれませんが、今、初めて読んで、一言で言えば、私は「ああ、やっぱりか。」という感じでした。長い間、何かおかしいなと思いながら、なかなか口にできなかったことを、外国の人に、先に言われてしまったというか、親切に教えてもらったというか、そんな感じです。

特に選挙の問題については、2005年の選挙に関してもそうですが、マスコミが刺客、刺客と報道しはじめた時から、私はこれは危ないなと、思っていました。これだけ、政権党のニュースの露出が多ければ、普通に考えて、それがどういう影響を与えるかは、マスコミの関係者でなくても、わかるはずでしょう。
結果は私が懸念していたとおりでした。おそらく、マスメディアのエキスパートにとっては、思うつぼだったのでしょう。教科書通りの、見事な世論誘導です。
あるいはこれは、来るべき非常事態を想定して、国民をモルモットにした、国家的な危機管理の実験だったのではないかと思う程、あざやかなメディアによるコントロールでした。
しかも、右も左も、日本の全ての報道機関が責任を負うべき深刻な問題です。この状態を放置しておくと、選挙の結果をマスメディアが左右できるようになります。左右といっても、左はないも同然ですから、右右ですが。

一番怖いのは、このままでは、マスメディアを信用できなくなることです。信用に足るメディアがないということです。その意味では、2005年の選挙におけるマスメディアの報道姿勢は、まさにメディアの自殺行為といってもいいのではないでしょうか。
「右も左も、お前らみんなグルだったのか」という感じです。

選挙については、何十年も前から、巧妙な利益誘導がごく普通のこととして、明るく日常的に、国民的に行われてきたことが、この本には、冷静に、客観的に、分析されています。何回選挙をやっても、何十回選挙をしても、必ず政権党が勝つことになっています。そういうシステムをこの国の管理者が着実に誠実に、構築して来たのです。そして、まったくその通りになっています。結果を見れば、歴史を見れば、はっきりわかると思います。もちろん、建前は民主的な選挙です。普段は民主主義のコートを着て、投票の時は、脱ぐわけです。

おそらく、このままで行けば、100年、200年という政権党の、超長期一党支配も可能なのではないかという、恐ろしくゾンビ的な、ホラー的な悪夢を見るのはわたしだけでしょうか。もちろん、それまで、この国のフィジカルなパワーが持続できればという前提はありますが、いずれにしてもそうなると、時代錯誤かもしれませんが、江戸幕府を思い出させるような状況になります。もう民主主義というレベルを越えて、民主的封建主義というレベルまで来ているのかもしれません。

とにかくこの本を読んだ印象は、今まで日本について、漠然と考えていたことを、いきなり外国人に、徹底的に、反論の余地がないほど明確に、隅から隅まで論証されつくしてしまったという感じです。
おそらく、この国の管理者の側の人物がこの本を読めば、一瞬、あっけに取られて、言葉も出ないという感じだったのではないでしょうか。それほど、徹底的に日本というシステムを、右も左も、まさに全否定しているといえるでしょう。日本というシステム全体が、すみからすみまで、解剖され、きれいに整理され、分類されて、我々の前に並べられているといえるでしょう。

それにしても、これまでの長い歴史の中で、日本のどんなエリート、研究者、政治学者、哲学者、ジャーナリスト、文化人にもできなかったことを、この本の著者である一人の外国人がやってしまったという事実には、驚かされます。おそらく、この本にも書かれているように、こっそりと、誰にも言わずに、日本という巨大なシステムの根源的な問題を、非常に高いレベルで、誠実に研究している人間は、日本人のなかにもいると思います。
しかし、これほどはっきりと、大きな声で、日本人なら、誰でもうすうすと知っていることを、白日のもとにさらけだそうと試みた日本人は、これまでにもいなかったし、これからもおそらくいないでしょう。
やはり、同じ日本人としては、毎日の生活もありますし、日本というシステム全体を敵に回すというリスクは、想像できないほど、大きいということでしょう。逆に言えば、外国人だからできたとも言えるかもしれません。

とにかく、非常に刺激的で面白い本です。読み方によっては、普通のホラー小説より面白いとも言えるかもしれません。あまりに正確に理論的に分析されすぎたために、かえって、非現実的なフィクションのように感じてしまうようなところがあるのかもしれません。

特に私の印象に残ったのは、誰でも知っている、あの偉大な巨大メディア企業と、TV局との関係について書かれた部分です。この部分を正確に読むと、もう毎日見ているTVの報道を、まるごと信用することはできないでしょう。
毎日毎日あきることなく流される、政治色抜きの、ノーテンキなお笑い番組は、某超大国が仕掛けた、一億総痴呆化なのではないか?そんな悪魔的なファンタジーを夢見る、超!平和なお正月の一日でした。
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